漢方治療でアレルギーを治療する中で不安に感じたことは、経済的な面も大きかったです。
■漢方は自費負担が多い
知っている方もいるかもしれないですが、漢方治療は自費負担になる部分が多いんです。
私は健康保険のことが全く分からないのですが、漢方でも保険で治療できるところもあるらしいと他の患者さんから聞いた事がありますが、全額なのか一部なのかは分からないです。
私がしてきた漢方治療についてですが、まず治療の要ともいえる煎じ薬は、一部保険が適用されます。
処方される煎じ薬の量にもよりますが、約2/3は保険適用で、1/3は自費になります。
2種類もらっていた漢方の塗り薬、中黄膏(ちゅうおうこう)と紫雲膏(しうんこう)も自費です。
中黄膏は傷口の化膿止めで、紫雲膏は出来た傷を早く治してくれる役割があります。
今、私は傷口が化膿することはなくなったので、紫雲膏だけを使っています。
子供は外遊びも多くバイ菌もつきやすいだろうから、二つの塗り薬を使っています。
ちなみにこの中黄膏や紫雲膏は、江戸時代の外科医、華岡青洲さんが考案されたそうです。
有吉佐和子さんの『華岡青洲の妻』という小説でも有名な、日本ではじめて全身麻酔による乳がん手術を成功させた方です。
漢方薬では定番で、結構、前からある薬なんです。
話がそれましたが・・・
たまに出される塗り薬として、もう一種類あります。
ひどく化膿したら抗生物質の塗り薬(西洋薬)が出ることもありますが、これは保険が効きます。
抗生物質は、化膿の原因になっている細菌を殺したり、増殖を抑えたりしてくれるものです。
あと、子供が煎じ薬を飲めない小さい頃に、煎じ薬のかわりにもらっていた漢方の入浴剤も、自費です。
さらに、治療の途中で起こるピリピリした体の痛みを抑えるために出されていたヘルペスの錠剤や軟膏も、自費なんです。
煎じ薬は治療の基本ですから、毎回もらっています。
なので、自費分が毎回、発生します。(大人の分の話です)
ちなみに子供の煎じ薬は、つい最近まで量が少なく、保険の範囲内でした。
ですが、2016年の年末から、子供の煎じ薬の処方量が増えたため、自費分が発生するようになりました。
5歳になって体重の増加とともに煎じ薬の量が増えたことと、治療のスピードを加速させて一気にアレルギーを出しきろうという先生の方針でした。
症状のひどい時期は、子供なら入浴剤と塗り薬は必須ですし、ヘルペス剤を飲むと、ずいぶん体の痛みが楽になります。
また、ヘルペスの軟膏をジュクジュクした傷口に塗ると、ジュクジュクがましになります。
これらのお薬を、その時の症状に合わせて出されます。
そう考えると、子供と二人分で一番症状もひどく多くの薬をもらっていた時期は、月数万円使っていました。
1年くらいは、そんな出費だったと記憶しています。
治ってくると入浴剤は不要ですし、ヘルペスのお薬や抗生物質も不要になります。
私の場合今は、煎じ薬と漢方の塗り薬だけになりました。
子供はかきやぶった皮膚がジュクジュクすることもあるので、煎じ薬と漢方塗り薬に加えて、まだヘルペスの軟膏ももらっています。
ただ、アトピーの範囲が小さくなると塗り薬を使う量が減るので、もらう頻度が減ります。
2017年春の治療費ですが、二人分合わせて1ヶ月1万円~1万5千円くらいでおさまっています。
塗り薬を毎回もらうわけではないので、全くもらわず煎じ薬だけだと一ヶ月1万円以内で、塗り薬をもらうと1万円を超します。
煎じ薬は一部自費ですが、それはさほど高くはないです。
それより、入浴剤やヘルペス剤の自費がやはり高いんです。
多く出費していた頃はそれまでの蓄えをくずしながら支払っていましたが、正直いつ治るか分からないアレルギーに対して限りあるお金、これが尽きたら・・そんな不安はありましたね。
幸いにも私の場合、お金が尽きる前に快方に向かいましたが、これも症状に個人差があるので、いくらかかるとも言えないんです。
ただ、安くはないというか一般的な治療費より高いって認識が必要です。
この漢方治療は、精神的な面(アトピーアレルギーの漢方治療で不安に思ったこと感じたこと(その1)の記事に記載)と経済的な面の二つをクリアしないといけない厳しい側面も持っています。
漢方治療を考えている方は、費用の面も調べた上ではじめることをおすすめします。
いつの日かこの漢方治療が保険でできるようになれば、もっと多くの人が治療を受けられて、アトピーやアレルギー治療の選択肢が広がるだろうな・・と個人的には思っています。